たまねぎ/りりィ
東芝音楽工業（エキスプレス） ETP-9053
初回盤ジャケット
初回盤インナー
通常仕様盤（ETP-9053）
通常仕様盤（ETP-72048）
LILY-HISTORY（表ジャケット）
LILY-HISTORY（裏ジャケット）
Side-A
A-1 愛(ALONE AM I)
A-2 羽のはえた雲(I HAD A DREAM)
A-3 にがお絵(TRAIN WINDOW/REMINDS ME OF YOUR SMILE)
A-4 WOKE UP BLUES
A-5 片いっぽのガラスの靴(TWELVE MIDNIGHT)
A-6 ねつかれなくて(AS I CAN’T SLEEP)
Side-B
B-1 お元気ですか(HOW HAVE YOU BEEN)
B-2 私の映画（MY MOVIE）
B-3 8月だけのカレンダー(CALENDER WITH JUST AUGUST)
B-4 死の歌をつくる時(LIFE IS REPEATING)
B-5 さみしくて(CLOSE YOUR EYES)
B-6 遠くなるほど（SO FAR AWAY）
1972年5月5日に発売されたりりィの記念すべきファーストアルバム。
前年の1971年に東京キッドブラザーズ/下田逸郎の「遺言歌」の中で「レーニア」の変名で「ひとりひとり」のリードボーカルを務めているが、単独名義でのレコードはこれが初。
プロデュースは「浅川マキ」を見出し、「下田逸郎」「南正人」「桑名正博」らを育てた寺本幸司と音楽出版社ジェイ＆ケイの篠崎信之。バックは、深町純(kb)、つのだひろ(ds)、石川鷹彦(ag)、水谷公生(eg)、鈴木惇(Ba)、アレンジは木谷高介。TOO MUCHのボーカリスト、Juni Rush作のカントリー・ブルース”Woke Up Blues（A-4）では安田裕美（パートはブルースハープ）、浅川マキを支えた名ギタリスト、萩原信義がゲストで参加している。（B-5などで聴かれるブラスは当時木田が率いていたバンド「リトル・モア・ヘック」だと思われる。）
全体的なサウンドの感触はこのアルバムでしか聴くことができない幻想的なフォークとブルース、ロックが混じり合ったような独特のもので彼女が10代後半のフーテン時代に経験したアングラ文化の影響も随所で散見できる。
このアルバムのファーストプレスは特殊仕様になっていて、通常のレコード盤を収めたジャケットとポスター、ブックレットなどを青い紙で包み込むような凝った仕掛けである。帯はビートルズのアップルレーベルのパロディであろうリンゴならぬ、たまねぎが書かれていて中々洒落ているが、これを外さないと中身にアクセルできない仕様になっているので捨てられることが多く、現存しているものはかなり少ないと思われる。
その後は同番号で通常のジャケット仕様になっているが、困ったことに「東芝音楽工業」ではなく「東芝EMI」と書かれた初回仕様のものも見つかっており、変更になった正確な時期は正直なところ良くわからない。（社名変更があったのが1973年の10月なのでこのアルバムが発売されてから1年半以上経過している。同じ1972年に発売されたチューリップの1stアルバムもやはり東芝EMIバージョンの初回仕様盤が見つかっているので何か事情があるのかも知れない。） ちなみに「東芝音楽工業」の初回盤には赤盤がある。
またアルバムからは「にがお絵」（c/w 「私の映画」）のシングルが同年5月5日に発売されているが、それとは別に業界向けに「にがお絵」 （c/w 「恋するりりィ」）のプロモーション用シングルが制作・配布されている。現物は未確認であるが、カップリング曲の「恋するりりィ」（アルバム録音終了後につのだひろと高中正義とりりィの３人のみで録音されたものでつのだが歌う英語詞の曲に乗って『名前はリリィ。あと28日で二十歳』など本人のナレーションが入る曲）は1977年の「りりシズム」リリース時に制作されたベストLP「LILY-HISTORY」に収録された。
